どこへ行っても楽しいこと。それは“食べること”。日本の中でも地方へ行ったりした時、その町一番のフランス料理屋さんへ連れていってくれるより、なんでもないその土地のものが数倍うれしい。
外国でもそう。アメリカのもんはまずいとか大味とかブツブツいう人が多いけど、まずいもんはどこの国にもあり、日本にだってごろごろあるよね、安くてまずいものもあれば高くてまずいものも。
アメリカでおいしいのはサンドイッチ。カリフォルニアの、ぬけるような青空のもとで食べるに似合うのは中身たっぷり、あふれんばかりのサンドイッチやおなじみハンバーガー。決しておにぎりじゃない気がする。
撮影:添田明也 スタイリング:チームKATSUYO
サンドイッチというと、昔の日本ではろくなものがなかったですよ。ちょっと外で軽食にと頼んでみても、よほどのところでないと中身満足というのはめったになかったもん。
今でも時々そういうのにお目にかかるので、アメリカのサンドイッチには大感激。とにかくボリュームがあり、中身が充実している。
サンドイッチにブチッと刺してるスティックにご注目。これ、知恵のひとつ。これだけ中身をはさむとね、包丁で切る時たーいへん。それが、スティック(楊枝)を刺すだけでスッスッと切れるの。楊枝がないと切る時に中身がくずれるのがほんとにたったこれだけのことでスッスッ。
それにね、このサンドイッチにはなんといってもやっぱりコーラが合う! それもダイエットコーラでなく…。太らば太れって感じで、ごっくんごっくん飲みつつ、ガブッとサンドイッチにかぶりつく。おいしいっ。あーあ、カリフォルニアの青い空がほしいなァ。
小林カツ代 (1993年復刻掲載)
「小林カツ代の読むだけで美味しいはなし」