私はチーズが大好きです。どんなチーズでもいいというわけではないのですが大体において好きです。
といっても、チーズの種類は数えきれないほどあるそうですから、私などそのごくごく一部しか知らないので偉そうなことはいえません。
このところ凝っているチーズはクリームタイプのチーズです。
黒パンを薄く切ってバターをぬり、次いでクリームチーズをベッタベタにぬり、またその上に苺ジャムをぬり、またまたその上にバナナの輪切りをずらりとのせて、やっと食べるという寸法。
心ならずもかなり大きな口をあけなくてはなりませんが実においしいです。
ただ、クリームチーズはどこにでも売っているというほどポピュラーになっていませんね。
ですから、私はデパートや大きなスーパーマーケットへ行ったついでに買うのですが、忘れないうちにとデパートの食料品売場で真先にクリームチーズを買ったときのことです。
冬のこととて、暖房のきいた店内で、あれやこれやと買いこみ、買物袋の中で一番下になったチーズが、見るも無残にペチャンコグチャになってしまい、泣きたくなったことがあります。
現在、クリームチーズの次に凝りつつあるのが溶けやすいタイプのチーズ、例のピザパイやチーズトーストに最適なヤツです。
あれも少し塩からくない方がいいと思います。そうすればケーキなんかにも利用したいのですが。
ケーキといえばチーズケーキというのがあるでしょう、これだけは家で作りません。
神戸にフロインドリーヴといって古くからあるパン屋さんのドライなチーズケーキを食べたら、どうしても作る気がしなくなりました。
それほどそこのはおいしいんです。
東京へきてからも方々のを食べましたがあまりぐっときたのはありません。ケーキの上にジャムをぬったのが多いですね、好きずきでしょうけど、私は表面がカラリとしている方が好きです。
冷たくひやして食べる方のチーズケーキは東京のがおいしいようです。
このチーズケーキはとてもコクがあるせいかたくさんは食べられず、二口か三口食べたらうーん食べたなあって気になり、満足してしまいます。
もっとも、友人にいわせると「あなたのは一口ったって満足して当然よォ」って申しますが……。
青いカビがいっぱい入ってるブルーチーズ、あれも興味津々で買ってきて、きょう食べようあす食べようと思ううちつい忘れ、冷蔵庫中がブルーチーズの匂いだらけになって大弱りしたこともあります。
今までにすごーくおいしいと思ったチーズのひとつは、飛行機の中で出された小さい三角のナチュラルチーズ、たしかイギリスのものでした。
あれひとつを食べたいばかりに、私の世にもきらいな恐しい飛行機にまた乗ってもいいと思うほどです。
さて、クリームチーズの話にもどりますが最近読んだ雑誌に、薄いパンの間にクリームチーズをぬって柔らかいスモークドサーモンをはさんで食べたら実に美味とありました。
撮影:添田明也 スタイリング:チームKATSUYO
早速やってみたいのですがいかんせん、スモークドサーモン氏はちと高く、あんまりおいしくて病みつきにならないかとためらってもいます。
撮影:添田明也 スタイリング:チームKATSUYO
しかし、スモークドサーモンをガボガボ食べるほど金持になるのを待ってたら、入れ歯の間にサーモンがひっかかるほどのトシになるかも知れず、いやそれすらもおぼつかない。
人生は短かし、明日ためしてみようかな。
小林カツ代
「お料理ショート・ショート」