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ごはん礼賛

 ごはんってすばらしいですねー。
 
 べつに食糧庁の肩を持つわけではありませんが、私は日本のお米を大切にしたいと思っています。それなのに昨今は国の農業政策によっての減反で、米どころ日本は危ういとすら感じます。
 
 いくら沢山出来たっていいじゃありませんか。モミのままで何年も保つとか。
 
 お金なんかいくら蓄えたって、空腹の足しになんぞならないけど、お米は貴重です。ごはんさえあればおにぎりが出来ます。塩とごはんだけで、これだけおいしく食べる人間の知恵。ましてや豊かな時代のごはんの食べ方なんて、このイクラごはんもしかり。温かいごはんに、イクラをたっぷりとかけ、柚子のせん切りと共に食べるだけ。わォッと叫ぶほどおいしい。

撮影:添田明也 スタイリング:チームKATSUYO
 
 ごはんがぽっぽこぽっぽこ炊けているときの匂い、平和で、のんきで、ふくいくたる香り……大好き(ツワリの時だけ例外)。
 
 お米がそんなに余るなら、おなかがすいている国にあげればいいのに。それでも余るなら、もしもの時のためにモミで蓄えておいてくれればいいのに。
 
 日本だって、いつ食糧危機がやってくるか分かりません。しつこくいうようですが、ごはんさえあれば塩むすびが握れ、何日だって生きていけるではありませんか。たくましいんですよねえ、人間って。
 
 などいいつつ、私はイクラごはんを食べます。平和の時代を生きる実感は、食卓から。色がよくて味がよくてのイクラごはんから。なーんてネ。


小林カツ代 (1993年復刻掲載)
「小林カツ代の読むだけで美味しいはなし」



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2020/04/19

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