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二十四節気 食ごよみ

芒種(ぼうしゅ)
新暦6月6日頃〜
芒(のぎ)は、イネ科の植物の穂先についている針のような突起毛のこと。麦を収穫し、稲を植える季節。梅の実も黄色みを帯びてきます。
▲次の24節気は夏至(6月21日頃〜)です。

お節介訓 その9
芒種は、梅雨本番目前です。体内除湿を心がけ、水はけのよい体の下地づくりをはじめます!

芒種のおすすめは
豆ラタトゥイユ&はと麦ライス
梅雨入り前の体内除湿対策、食欲不振対策に

薬膳のポイント>湿気がぐんと増してくるこの時期におすすめ、豆と野菜たっぷりのラタトュイユ。胃腸のはたらきを高め、余分な水分をため込まず、利尿にはたらきかける食材を組み合わせています。一緒に、水分代謝をよくするはと麦入りのご飯を食べれば、水はけのよい体づくりに理想的な組み合わせ。

芒種食べもの語り
 あじさいが色づき始め、各地の梅雨入りが気になる頃になりました。これからぐんぐん高まっていく湿気。雨の音で迎えるどんよりとした朝が続くと、ついつい心もふさがり気味になってしまいます。

 梅雨の時期は、心だけでなく、体にもいろいろな変化が…。頭が重い、だるい、疲れやすい、体の節々が痛む…といった症状が現われることが少なくありません。

 こうした症状は、中医学では“湿”が大きく関係していると考えます。“湿”は“湿気”と置き換えていただくとわかりやすいかもしれません。外界の湿気が体内に入り込み、そのまま停留してしまうと、“湿邪(しつじゃ)“となって体に不快な症状をもたらします。

 たとえば、体の重たい感じ、胸のつかえ、むくみ。消化器官はもともと“湿”を嫌うので、食欲不振やお腹の調子が崩れやすくなったりもします。さらに、“湿”が血液や気の流れの邪魔をすれば、体を冷えやすくしたり、関節痛を引き起こしたりもしますから、大変、大変。

 日本は湿気の多い国なのに、どうしてか、暑さや寒さ、乾燥に比べて“湿”に対しては、かなり無防備。しかし、この“湿”の特徴は、“重い、濁(にご)る、粘る、滞る”。性格はいかにも陰湿そうで、体にはかなり手ごわい相手なのです。

 梅雨本番目前。体内の湿気を停留させず、上手に取り除いて、快適な梅雨を目指しましょう。水はけのよい体の下地づくりを始めるのは今です!


薬膳的!芒種、これ食べたい!
 “芒種”の頃は、体に湿をため込まない、体の余分な水分は上手に取り除くことを心がけるとき。気温はまださほど上がらず、冷んやりとした雨が降ることもあります。そんな時期は、暑くムシムシするときの体内除湿対策とは違い、体を冷やさない除湿を心がけること―これが大切です。

 おすすめは、体にたまった余分な水分を取り除く力のある食べものや、湿気に弱い胃腸の働きを高める食材です。たとえば豆類、とうもろこし、冬瓜、ズッキーニ、豆乳、白身魚、はと麦、じゃが芋、米、鶏肉などがいいですね。

 一緒に、玉葱や柑橘類、生姜、茗荷、紫蘇、香菜、三つ葉、スパイスなど、香りがあるもの、体を温めながら気の巡りをよくしてくれるものをほどよく使うと、湿の停滞によって起こりがちな、胸のつかえ感や痛みを和らげるのを助けてくれます。


とうもろこしとじゃこの炊き込みご飯
「湿気が高まってきた!」と感じたとき、すぐに作ってほしい炊き込みご飯です。

ひよこ豆の焼きコロッケ
揚げずに焼くコロッケ。豆とじゃがいもでお腹にも優しい。

 さて、芒種に食べたい料理。

 梅雨入りのニュースが届き始める頃には、「とうもろこしとじゃこの炊き込みご飯」をぜひ炊いてくださいな。胃のはたらきを高めて余分な水分を取り除くとうもろこしをたっぷりと。香りのあるしそをアクセントにきかせます。

「ひよこ豆の焼きコロッケ」は、中近東で食べられているファラフェルという食べものをヒントにした料理。ひよこ豆とスパイスの香りがふわりっと口に広がります。玉ねぎと香菜入りのサルサソースでさっぱり食べるのが今の時期のおすすめです。

「豆と野菜のラタトュイユ」は、胃腸を元気にするじゃがいも、キャベツ、お豆さん、体に余分な水分を取り除くズッキーニを煮込み、温性で辛味の生姜、消化を促進するクミンを加えました。一緒に、体の水分代謝を促進するはと麦入りご飯と食べれば、梅雨には最強の組み合わせです。

 はと麦と言えば、日本でははと麦茶で知られていますが、薬膳のふるさと中国では、はと麦の実から皮(殻)を取り除いたものを「ヨクイニン」と言います。体内の余分な水湿を排泄させ、尿の出をよくしたり、むくみを解消する働きがあるほか、肌荒れや吹き出物などの肌トラブル解消、美肌のための生薬としても古くから用いられてきました。

 はと麦は少し余分に茹でておいて冷凍も可能です。梅雨時にはとくに、雑穀のひとつとして、ぜひ摂り入れていきたい食材です。

 今年は湿気に負けない梅雨。お気に入りの傘や長靴を見つけて、歌でも口ずさみながら、外出を楽しみたいですね。“Singing in the rain〜♪”


▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です

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2024/04/05

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