きのうの続き
2020/4/6(月)
1918年11月10日の「横浜貿易新聞」で、スペイン風邪に対する政府の対応を批判している。
「盗人を見てから縄をなうというような日本人の便宜主義がこういう場合にも目につきます」「生徒が七、八分通り風邪にかかってしまって後に、ようやく相談会などを開いて幾日かの休校を決しました」「政府はなぜいち早くこの危険を防止するために、大呉服店、学校、興行物、大工場、大展覧会等、多くの人間の密集する場所の一時的休業を命じなかったのでしょうか」と。
やはり1918年、大正文壇・演劇界の鬼才である島村抱月もスペイン風邪に倒れ、翌年、彼の死を追って女優・松井須磨子もそれこそ自死している。自分が感染しただけならいいでしょ?自己責任で!それでは済まない。
情容赦なしに家族、友人、恋人・・・誰もに感染させていくウイルスの怖さ。100年以上前の日本と政府の対応は変化しているのか?そう変わっていない。人々の命と経済を秤にかけられるのか?どちらが大切か?自明の理である。
KSこいち