KATSUYOレシピ

味噌豆学


手前味噌という、自分自慢をするときに使う枕詞のような、日本人ならだれもが聞いたり、使ったり・・・つまり、それだけ自分の食べ育った味噌を使った、味噌汁が一番おいしいと思ってしまう。昔から、よくそんな話を聞いたことがありませんか?

どの料理の本も、ごくまれに白味噌、赤味噌といった限定表記のこともありますが、たいては自分の持っている味噌を使ってくださいよ…ということです。

各家庭、各土地、地方によって、さまざまな味噌があり、その数は星の数以上あることは間違いがありません。

1種使う方法もありますが、合わせ味噌といって、2〜3種以上を合わせると、味に深みが増すとも言われております。この際、どんな味噌を合わせても構いませんが、キッチンスタジオご用達の味噌屋のおばちゃんは、

『合わせ味噌は結婚と同じよ…遠い土地同士の人たちの子供は美男美女が生まれてくるのよ〜っ・・・』だそうで、味噌もたとえば青森の味噌と熊本の味噌なんぞを合わせると、飲んだことのない味わいが、飲めるそうで、

『手前味噌と自慢してないで、いろいろ飲んでみなさいな〜』だそうですよ。

全国の代表の味噌を少しだけご紹介しましょう。


●津軽味噌…青森県。塩分の多い、辛口の米味噌。十分に熟成したものは赤褐色をしている。津軽三年味噌と呼ばれ、熟成に数年かかる。最近はだいぶ、塩分を少なくしている店が多いようです。

●仙台味噌…宮城県。赤味噌系で、辛口の代表的なもの。ちょっと甘い味噌をあわせるとぐんと深みがでて、美味しくなるのもコレ。

●信州味噌…長野県。これも辛口味噌の代表的な1種。淡色の明るい感じのベージュ色のことが多い。最近は、長野県以外でも、信州味噌が製造されているようです。種類も多く、味も香りも千差万別。

●越後味噌…新潟県。辛口の米味噌。米粒を浮かせた粒味噌であるのが特徴。塩分が多いだけに、味噌汁にはみその分量を控え、味を薄めるといい。だしを濃い目にとれば、少なめの味噌でもかなり味わい深いかんじを楽しめる。粒粒が気になる人は、だしこしで濾す。

●江戸甘味噌…東京都。米麹が多く、塩分が少ない。独特の赤身があり、あまい香りがする。味噌汁には辛口味噌とあわせてつかうと飲みやすい。こっくりした味わいが楽しめます。塩分が少ないせいか、一般的な店には少なく、味噌専門店にしかないことが多い。

●八丁味噌…愛知県・岐阜県・三重県。濃厚なうまみがあり、香りが強く、深い。大豆と塩だけで熟成させる“豆味噌”の代表的なもの。味噌汁の他に、田楽味噌によく使われ、KATSUYOレシピ内では赤味噌という表記で使わせてもらっている。赤だし味噌は、八丁味噌より、少し味はおちるが使い方はほとんど同じでいい。

●加賀の粒味噌…石川県。大豆の粒を浮かせた味噌で、塩分はかなりきつい。辛口の赤みそだが、味噌屋によって、かなり白っぽい加賀味噌も見かける。

●西京味噌…京都。塩分が普通の半量とまで言われ、短時間熟成で作るために、職人技の高度を求められる味噌。ある一定の基準をたっし、認められないと西京味噌と勝手に名乗ってはいけないことでも有名。KATSYOレシピ内では白味噌という表記にしています。米麹のかなり多い、甘口の味噌。関西で多く使われ、京都に修学旅行に行った、東日本の学生さんが、朝食にいただく白く甘い味噌汁に出会い、かなりのカルチャーショックを受けた人も少なくない。辛口味噌との合わせもを、ぜひ楽しんでほしい。

●安芸の麦味噌…広島県・九州地方。大豆と麦に塩を加えて、製造する。米味噌に比べて、やや麹が多く、独特の風味と味の濃さが特徴。麦味噌になれた、九州の人が東京にでて味のカルチャーショックにおどろくものに、よく味噌の味が挙げられます。九州は味噌だけでなく、醤油の味もまったくといっていいほど、異なります。



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