そぐように切ることを、そぎ切りという。
包丁の刃を、少し寝かせるようにして
薄く切ることである。
この切り方でないと、できない料理はあまりないが、料理の本にはよく出てくる。薄く切るので、上から見た目は大きく見えても、厚み、重さともに少ない。ちなみに包丁がスッとよく切れないとうまく切れず、切り口が美しくない。
茶碗蒸しに入っている鶏のささみは、そぎ切りが向いている。なぜなら茶碗蒸しの卵液と鶏肉が、ほぼ同時に火が入るから。そぎ切りにしないと、火の通る時間に差が出て、卵液にスが入る。
そのほかにも、鍋ものや炒めもののときの生椎茸のそぎ切り、ロールキャベツの芯のそぎ切りなど、食べやすくしたり巻きやすくするなどの理由がある。白菜の軸はそぎ切りとよくいわれるがまずい。