お腹、元気ですか?
私たちの体は、食べたものを胃で消化し、腸で栄養を吸収、腸で不要と判断されたものを便として排出する…これを毎日繰り返しています。
腸がきちんと働かないと、便秘や下痢を起こしやすくなり、必要なエネルギーの摂取ができなくなるだけでなく、食べ物のカスが腸内にたまると、体に悪さをする有害物質が作られ、それが腸から再吸収されることによって、肌のトラブル(肌荒れ、吹き出物)、疲れやすい、むくみ、血行不良、自律神経の働きが低下、老化の原因にもなると考えられています。
腸内の環境は、ストレスや睡眠時間などの影響を受けやすいのですが、何といっても毎日の食べものと深く関係しています。
一般に腸内には、腸管の運動を促し、消化吸収を助け、免疫力を高める善玉菌と、腸内を腐敗させる悪玉菌、優勢になったほうの味方をする日和見菌が存在し、健康な腸は善玉菌が悪玉菌より多いというバランスを保っています。
この状態を維持するためには、日々の食事の中に[食物繊維]と[発酵食品]をほどよく摂り入れ、お腹を活気づけることがとても大切であるということがわかってきました。
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食物繊維は、かつては体に吸収されない食べ物のカスとされていましたが、現在では体に不可欠なものであると考えられるようになりました。善玉菌を増殖させる状態へ導くほか、体内の有害物質を体外に排泄、腸内の環境をととのえます。
発酵食品は、食材のうまみを増すことで知られていますが、乳酸菌などの善玉菌が豊富に含まれています。発酵パワーで腸の機能を強化すれば、免疫力向上に役立ち、代謝力アップ、美容効果も期待できます。
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さらに薬膳では、腸の働きを鈍らせる原因として、腸内の水分不足、気血不足、気血の滞りによるお腹の冷えなども考慮します。
これは、“気・血・水"を体の生理活動を担う基本的な要素として重要視する中国の伝統医学に基づく考え方です。“気"は、体全体の活動源として、体を温め、気力をつけ、血液や体液を動かす働きをし、“血(けつ)"は、体内組織や器官に栄養や酸素を与え、“水(すい)"は、血液以外の体液で、体のあらゆる部分を潤します。
これら3つが互いにバランスをとりながら、体内をスムーズに巡っていることで、体は正常な状態を保つことができます。これはお腹についても、同じこと。3つの要素のどれかが不足したり停滞することで、腸内が乾燥してしまったり、冷えてしまったり、腸の動きが悪くなったりして、体全体に変調をきたすと考えるわけです。
そこで今回の特集は、食物繊維が豊富な食材と発酵食品に加え、腸を潤し、気血を養い、気血の滞りを改善し、お腹を元気にする食材も摂り入れています。
梅雨の時期は、一年の中でもっともお腹の調子を崩しやすいとき。美と健康のためにもお腹を活気づけ、いきいき、はつらつとした“腸美人"を実現しましょう。
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レシピ監修&コラム:よしかい ゆき
レシピ&スタイリング:チームKATSUYO
撮影:添田 明也
料理制作:本田&中島
KATSUYOレシピ
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