独特の赤い色が印象的なクコの実(枸杞子:くこし)。杏仁豆腐の上にちょこんと飾られている実として日本でもおなじみです。中国原産のナス科の落葉低木の実を乾燥させたもので、中国では数千年前から優れた効能をもつ長寿の妙薬として重宝されています。日本には平安時代に伝わり、かの徳川家康も珍重したとか。
クコの実は滋養強壮、老化防止、鎮咳、疲労回復、肝腎の強化などに利用され、足腰の弱り・だるさ、眼精疲労などの症状をやわらげる作用があるとされています。
実際、クコの小さな実の中には現代的な栄養素もギュッと凝縮。カルシウム、ビタミン、ミネラルのほか、肝機能の調節や高血圧の改善、疲労回復、老化防止などが期待される成分も含まれていることがわかりました。最近はアメリカのセレブたちもアンチエイジング食品として注目しているそうです。
クコの木は日本にも生息していますが、現在は、日本産のクコの実を入手するのは難しいようです。最近は、スーパーなどでも中国産のクコの実が袋入りで売られるようになったので利用しやすくなりました。
クコの活用法はさまざま。スープ、煮物、炒め物、蒸し物、サラダなどに使えば、彩りを添えるだけでなく、クコの酸味と甘味が味に深みを与えます。トマトソースやカレーの隠し味にもぴったり。ぬるま湯などで戻してから使います。今回の特集で紹介した「イカとセロリのクコ炒め」もおすすめです。焼酎と氷砂糖に漬けてクコ酒をつくることもできます。
春は五臓の中でも「肝」が最も影響を受けやすく、その症状は目にあらわれると言われます。肝腎強化、目の疲れをやわらげる作用があるとされるクコを活用しましょう。目がかすむ、充血するなどの症状があるときは、熱を冷まし、目の不調改善に役立つとされる菊の花を加えた「枸杞菊花茶」がよく飲まれます。
■枸杞菊花茶
材料 (1杯分)
クコ(枸杞):7粒
菊花:5個
氷砂糖:適量
作り方
.フタつきの器に、さっと洗っておいたクコと菊花を入れ、湯を注ぎ、フタをする。
.3分ほどおいて、菊花の香りがたってきたら、好みで氷砂糖を加えて飲む。
(菊花は、ハーブの店、中華食材店、漢方薬局、インターネット通販などでも購入可能です)
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