KATSUYOレシピ

二十四節気 食ごよみ

小寒(しょうかん)
新暦1月6日頃〜
この日をもって寒の入り。立春の「寒の明け」までの約30日間が「寒の内」。今日からは、「寒中見舞い」になります。
▲次の24節気は大寒(1月20日頃〜)です。

お節介訓 その23
小寒は、寒さ極まるほんの手前。スパイスを上手に使って冷え対策!寒さに負けない体をつくるとき。

小寒のおすすめは
 白菜も豚肉もどかーんと大らかに煮ます。山椒をピリリときかせ、葱もたっぷり加えた自家製味噌だれで召し上がれ。

豚と白菜の煮込み・山椒味噌だれ
味の決め手は山椒味噌!

薬膳のポイント>山椒の主な効能は、「温中散寒(おんちゅうさんかん)」。ちょっと難しい言葉ですが、「中」は主にお腹や胃のこと。体の中を温めて冷えを取り除くという意味です。豚肉や白菜は体を潤す役割があるとされる食材。寒さが続き乾燥も気になる季節に、体をやさしく滋養する一皿です。

小寒食べもの語り
 新年を迎えました。吐く息も白く、厳しい寒さです。「小寒の氷、大寒に解く」という言葉があります。小寒に張った氷は寒さが頂点に達する大寒に解けるほど、小寒のほうがむしろ寒いことがあるという意味。思わずナットクです。

 これから七草、鏡開き、小正月…とお正月明け行事は続きますが、さて皆さま、元旦にお屠蘇(とそ)は飲まれましたか。屠蘇酒は香りが強く薬効のある薬草を合わせた屠蘇散を清酒やみりんに浸けた薬草酒。屠蘇の「屠」は邪気を屠(ほふ)り=祓(はら)い、「蘇」は魂を蘇(よみが)えらせる、あるいは蘇という病をもたらす悪い鬼を退治するという意味があります。

 お正月に屠蘇酒で祝う習慣は遠く平安時代に中国から伝わり、宮中で用いられたのが始まりです。中国で始まったのは三国時代、魏の名医華陀(かだ)が考案したとされ、その処方にはかなり作用の強い薬草も含まれていました。

 現代の屠蘇散は、山椒、肉桂、桔梗、防風、白朮、乾姜、陳皮など、体を温めて気血の巡りをよくし、去痰、鎮咳、健胃、利尿などの効能を持つ薬草を用いるのが一般的。お屠蘇を飲みながら、心身ともに改まり、無病息災を祈ります。

 あらあら今年はお屠蘇を飲み忘れてしまったわ、という方も、屠蘇散の中の山椒、肉桂(シナモン)は手に入りやすい身近なスパイス。どちらも体を温める作用があります。上手に使って、寒さに負けない体づくりに役立てましょう!


薬膳的!小寒、これ食べたい!
実山椒のポテトサラダ
爽やかな香りとピリリッとした刺激。心も脳も活性化するかも?!のポテトサラダです。

香り鶏めし
ほのかに感じるエキゾチックな香りは、1本のシナモンスティックの魔法。五臓が元気になる炊き込みご飯です。

 小寒の頃は、山椒とシナモンを普段の料理に活用します。山椒と言えば鰻や蕎麦、シナモンはお菓子との相性のよさが思い浮かびますが、もっと自由に、料理や飲物に少量加えるだけで味に奥行きと広がりをもたらしてくれます。

 どちらも臓腑を温め、血行をよくして冷えからくる痛みを緩和する働きがあるとされるので、冬の冷え対策としてもぜひ摂り入れたいスパイスです。

 山椒はミカン科の植物。薬膳では体を温める作用のほか、体内の余分な湿気を取り除く作用や健胃、駆虫効果があるとされます。実際、辛味成分のサンショオールや香り成分のシトロネラールなどに、内蔵の働きを活発にし、胃腸の働きを助け、鎮痛・抗菌・駆虫作用まであるというのですから驚きです。

 シナモンはクスノキ科の植物、セイロン肉桂あるいは近縁種の支那肉桂の樹皮。薬膳では古くから体を温め五臓の働きを活発にするとして珍重されてきました。最近の研究で桂皮アルデヒトというシナモンの香り成分に、血流促進・消化促進など非常に多くの効能を持つことが解明され、注目度が急上昇中です。

 年の初めは気持ちも新たに張り切りたいとき。カゼをひきやすい時期でもありますから、冬のあっためスパイスで、まずは体の冷え対策を万全に!

▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です

バックナンバー


2024/04/05

もっと見る


マイレシピ一覧
KATSUYOレシピTOP

ページトップへ▲


お知らせ 利用規約
特定商取引法に基づく表記
コンテンツ提供元 対応機種
お問合わせ


編集:取材協力
(株)小林カツ代キッチンスタジオ

制作・構成協力
(株)本田明子キッチンオフィス

(c)Net Dreamers