ある年の夏、トマトジュース用の広大なトマト畑に行きました。一面、真っ赤なトマトがなるその様子は、それは壮観なもの。畑を歩きまわり、猛暑で喉がカラカラ。サンサン、いえギラギラの太陽が照りつけるその畑は、土だってもちろんカラカラ。
汗をぬぐいつつ、乾いた土を見ていて、突然アッ!と思ったの。それは、こんなにも何もかもが、カラカラなのに、鈴なりのトマトをかじるとピュッと水分が飛び出すほど瑞々しい。なんという自然の不思議かと。
1年の中で一番水分がほしいときに、ちゃんと出てくるなんて!!日本の梅雨と、夏に時折激しく降るスコールのような雨。私たちがもっとも水分がほしい時の蓄えでもあるのです。太陽・雨・土・自然全体が植物をつくり、私たちを潤し、元気をつくりだす。どれだけ私たちの体は、自然というものに守られているのでしょう。
トマト畑で、しぼりたてのトマトジュースをいただいたとき、乾ききった体の隅々までいきわたっていく実感!夏には、水分をいっぱいとりなさい、と自然界は教えてくれているのです。この時期、真っ赤なトマトをたべてみてくださいな、太陽の味、おひさまの味がするんです。
都会にいても、それは実感でき、自然のパワーを感じ取ることができるはずです、ほんのちょっとしたことで・・・・。
話:小林カツ代