新暦2月19日頃〜
空から降る雪が雨に変わり、大地を覆っていた氷が溶け始める頃。草木の先に、薄緑色の小さな新芽が見られます。
▲次の24節気は啓蟄(3月5日頃〜)です。
お節介訓 その2
雨水は、体のサイン“ぞくぞくっ”、“いがいが”をキャッチして、打つ手を打って、カゼを撃退。
薬膳のポイント>ぞくっと寒気−寒さの邪気が体に侵入したサインかも!?そんなときは、発汗を促し気の巡りをよくする葱、生姜、陳皮たっぷりの、みそ玉の出番です。熱いお湯を注いでよーく溶かして、はいどうぞ!邪気が体表にいるうちに、ぱぱっと追い出してしまいましょう。
24節気では雨水を迎えました。日差しがやわらかく感じられる日も多くなってきましたね。でも、寒暖を繰り返しながら春に近づくため、少し油断すると、あれっ、なんだかカゼっぽいかも・・・なんていうこともあります。
さてカゼ。カゼは、ひいてしまったかな、ちょっと怪しいぞ、という時、体のわずかなサインを見逃さずに対処すると、案外ひどくならずにすむことがあります。
体が発するサインはいろいろです。たとえば首の後ろ辺りに感じる、“ぞくぞくっ”。あるいはのど周辺の、“いがいがっ”。
“ぞくぞくっ”は、弱り気味の体の表面から寒さの邪気が侵入しているサイン。このサインを見過ごすと、悪寒や頭痛、関節の痛みなどが現れる『風寒カゼ』に移行してしまうかもしれません。
“いがいがっ”は、喉が乾燥し、体内の余分な水分が停留し少量の痰が発生しているサイン。冬にこじらせたカゼが治りきらない時にもみられますが、のどの腫れや痛み、熱症状を伴う『風熱カゼ』の初期症状の可能性もあります。
さあ、異なる2つの体のサインをキャッチした時に、何を食べましょうか。
薬膳的!雨水、これ食べたい!
“ぞくぞくっ”のサインがあるときは、風寒カゼのひき始めかも!?これには体を温め、「寒さ」を取り除くことが大切です。
そんなときには「生姜黒糖茶」を飲んでみてください。作り方はいたって簡単。皮ごと薄切りした生姜3枚と黒砂糖(できれば塊)をあらかじめ温めたマグカップに入れ、熱湯を注いで蓋をします。じんわり2分ほど待って、蒸らすだけ。黒砂糖をゆっくり溶かし、生姜の成分をじっくり抽出させながらふぅふぅと温ったかなうちに飲みます。
生姜は体をじんわり温めるだけでなく、その辛味には発散・発汗を促す作用があって、体の表面から入ってきた寒さの邪気を取り除く性質があります。同じような働きは、葱や香菜(シャンツァイ・パクチー)、紫蘇(しそ)、三つ葉、にんにくなどにもあるとされるので、この時期工夫して色々摂り入れるといいですよ。
そこで、雨水のおすすめでご紹介した『みそ玉の味噌汁』。この、葱と生姜と陳皮を入れた香り薬味みそ玉は、作り置きしておけば、とっても便利で安心なんです。
そして「ぶつ葱の鶏スープ」。体力の弱りを補う鶏をベースに、胃腸を養うじゃが芋と人参、発汗を促す葱を使ったパワースープです。
体がポカポカになったら、あたたかくしてとにかく早寝。ぐっすり眠って、明日は元気になりましょう。
続いて、“いがいがっ”のサインがあるときの対処法。こちらは、喉を潤し、熱っぽさを取り除くことが肝心。
そんな時、ぜひ口にしてほしいのが「大根はちみつ」。大根を1p角位に切って瓶に入れ、水あめ(または蜂蜜)を注いで蓋をしてしばらく置きます。すると、大根の成分がびっくりするほど水あめに溶け出します。この液を1日に2〜3回飲みます。これは喉の炎症を鎮め、咳や痰を取り除くという昔からの知恵。現代的にも大根の辛味成分には、消炎や殺菌の働きがあることがわかっています。
ほかにも喉の乾燥を潤し、痰を和らげるのに役立つ食材として、あさり、春菊、豆乳、海草類などがよいとされています。気の巡りをよくする香り食材の柚子を加えた「あさりと春菊のスープ」は、のどがしっとり潤い、通りもすっきりするように感じます。
これ大事です!もう一度言います!
“ぞくぞくっ”と“いがいがっ”は、選ぶ食べものが全く違いますので、気をつけてください。
もしも“いがいがっ”を通り越し、喉に痛みや赤みがあるときは、熱をもっている証。生姜、葱など温性で発汗力のある食材は使ってはいけません!!これらを過剰摂取すると、悪化してしまうこともあるんです。体のサインをキャッチする力をフルに活かして、いい春を迎えましょう。
▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です