新暦977日頃〜
夜、大気が冷えて、朝になると草花に白露(しらつゆ)を結び始める頃。自然界も深みのある落ち着いた色に染まりはじめ、秋の気配が増していきます。
▲次の24節気は秋分(9月22日頃〜)です。
お節介訓 その15
白露は、夏の肌疲れが現れる頃。気血を補い巡らせて、潤しながらダメージ解消。秋のうるうる美肌を目指します。
薬膳のポイント>肌荒れや肌の潤い不足には牛テール。コトコト煮込めば、旨みとコクがぎゅっとつまったスープがとれます。血を補うにんじん、気を補うしいたけ、気の流れをよくする玉ねぎ、消化を促進する大根も加え、夏のお疲れ肌に栄養補給をたっぷりと。
秋らしい涼やかな風が吹き始めています。暑かった夏の記憶は遠ざかっていきますが、その記憶をしっかり留めているのが、そう、お肌です。真夏の強い日差しを浴びていた肌。大量の汗をかき続けて毛穴も全開、シミやくすみ、顔色がさえない、きめが粗く肌荒れが目立つ…こんな症状、現れていませんか。
この時期の肌疲れの原因は、寝苦しかった夜の睡眠不足、室内外の気温差による疲労の蓄積、気血の巡りの滞りなどに加え、冷たい物の摂り過ぎで脾(消化器官)の力が弱まって栄養の消化吸収や水分代謝が上手に行えず、肌が充分に滋養されない―など、実にさまざまな要素が絡み合っていると考えられます。
このまま放っておくと、肌の代謝・バリア機能はどんどん低下し、潤いを保てずパサつきやすくなり、弾力やハリまで失ってしまうかもしれません。本格的な秋への変わり目は、肌にとって、とても危険な時期と言えそうです。
これから空気はどんどん乾燥していきます。今、肌のダメージ解消を意識して、食べものにもちょっと気をつかうことが、秋の美肌につながります!
薬膳的!白露、これ食べたい!
白露の頃は、夏の肌疲れを秋に持ち越さないためにも、元気をチャージし、潤いをたっぷり補う食材を摂り入れた料理を食べましょう!
まずおすすめは、「テールスープ」。テールは牛の尻尾。コラーゲン豊富で肌のキレイに役立つだけでなく、骨を丈夫にするカルシウムも含まれています。テールスープは難しそう、というイメージがありますが、意外に簡単!バターでこんがり焼いたあとコトコト時間をかけて煮るだけで、旨みが凝縮。野菜も一緒に煮ているので、栄養も満点です。食べる直前に、長葱、酢、赤唐辛子で作ったタレをぽとりと落とせば、体をほんのり温め、血行をよくする効果も期待できます。
つづいては、「チンゲン菜と桜えびのあんかけ炒飯」。チンゲン菜は、ビタミン、鉄、カルシウムが豊富で栄養価抜群、生活習慣病の予防も期待される緑黄色野菜。薬膳では、血の巡りをよくし解毒作用のある野菜として重宝されています。えびは体を温め、エネルギーを補充するパワフル食材。体を潤す卵を加えた炒飯に、あんをとろり。彩りもきれい。肌が美しくなるのをイメージしながら食べれば効果もばっちり上がるはず!
肌だけでなく、体の疲れも感じるなぁ・・・というときは、「スペアリブのジューシー焼き」。豚肉は、疲労回復に役立つビタミンB1が豊富。スペアリブは脂肪と赤身が層になっていて、お肌の乾燥対策にもぜひ摂り入れたい食材です。気の巡りをよくする玉葱、オレンジ、生姜、体を潤すはちみつを組み合わせ、香り爽やか、肌に元気がでてきそう!と思える一皿になりました。
肌のためには食べものの力も大切ですが、充分な睡眠をとることも重要です。白露を過ぎてくると、朝と夜は気温も下がってきますから、どうぞ寝冷えにご注意を!朝起きたら、お腹丸出しで寝ていた、なんていうことのないように。夏の名残りで開き気味の毛穴から、寒さの邪気も容易に侵入してきちゃいますからね。そろそろ肌掛けをもう一枚、増やして寝ることにいたしましょう。
▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です