新暦5月6日頃〜
夏の気が立つという意味で、暦の上で夏が始まる日。新緑がまぶしい、爽やかな季節がやってきました。
▲次の24節気は小満(21日頃〜)です。
お節介訓 その7
立夏は、初夏の訪れです。気血を補い、巡らせて、体の夏支度をはじめます。
薬膳のポイント>韓国風の特製だれで食べるステーキ丼。牛肉は、たんぱく質、ミネラル豊富。薬膳では気血を補い、筋力をつけて足腰を丈夫にする食材です。人参と豆苗の栄養たっぷり簡単ナムルを添えて、爽やかな初夏、食べて元気に、はつらつと!
昨日の5月5日は端午(たんご)の節句。菖蒲(しょうぶ)の節句とも呼ばれます。古代中国で、5月5日に強い香りの菖蒲や薬効の高い蓬(よもぎ)を摘み、それを使って邪気を祓(はら)っていた行事が日本に伝わり、やがて日本で田植えをする女性たちが菖蒲や蓬で身を清めた神事と結びつきました。男の子の成長を祝う節句になるのは、その後、武家社会になってから。菖蒲が尚武(しょうぶ)・勝負に通じることが由縁だそうです。
さて、厄除けに使われたという菖蒲と蓬。どちらも今ごろが出盛りで、薬膳的にも魅力的な薬効を持っています。
菖蒲は水辺に生えるサトイモ科の植物。強い香りで頭をすっきりさせ、体を温めて痛みを鎮め、健胃作用もあります。薬膳では、葉よりも根茎の薬効が強いとされますが、菖蒲の葉を湯に浮かべる「菖蒲湯」もリラックス効果は期待大です!
蓬は山野や道端に生えるキク科の植物。若葉をゆでて刻んだものは草餅やよもぎ餅に使われるので、別名は「モチグサ」。葉の裏の白い毛を集めたものがお灸の材料の艾(もぐさ)。少し成長した茎葉を乾燥させたものは艾葉(がいよう)と呼ばれ、止血作用のほか、体を温め、冷えによる腹痛、肩こり、腰痛、生理痛などをやわらげる薬効があるとされ、“女性に嬉しい婦人薬"の異名を持ちます。
5月5日は今では子供の健康や幸せを願う日ですが、ぜひお母さんの体も元気いっぱいであってほしい!そんな願いをこめて、立夏に食べたいレシピは、とくに女性におすすめの料理です。
初夏の陽射しを感じたら、体も少し早めの夏支度!
薬膳的!立夏、これ食べたい!
"立夏"の頃は、日本では休日と重なって、あれやこれやと忙しくなりがち。とくにお母さんは、ふうっと疲れを感じる方も少なくないと思います。女性の体は、ただでさえ血を消耗しがち、イライラすると疲れも倍増します。そんなときこそ、気血を補強し、巡らせること―忘れないでくださいね。
初夏のエネルギーチャージには、牛肉、卵、にんにくがもってこい。そしてたっぷりと野菜も食べたいところです。
まずは、おすすめの「韓国風ステーキ丼ぶり」。韓国の万能調味料ヤンニョムジャン(薬念醤)*にコチュジャンと赤味噌を加えてコクのある特製だれを作り、ミディアムレアに焼いたステーキをジュっと漬け、ご飯にのせて、さあモリモリと食べましょう。この特製だれ、ほかにも、冷奴、刺身、ゆで豚、野菜のキムチなどいろいろ使えて便利です!
※薬念(ヤンニョム)とは、韓国における薬味、香辛料、調味料の総称。薬念醤(ヤンニョムジャン)は、にんにく、生姜、長葱などの香味野菜、胡麻、韓国唐辛子粉、醤油、胡麻油など、複数の薬念を調合して作る合わせ調味料。韓国の家庭ごとにそれぞれの味があります。
続いて、「牛肉といんげんのスタミナ炒め」。こちらも牛肉、卵、にんにくを使った料理です。胃腸を元気にするいんげんと、血液を健康に保つ木耳を組み合わせ、パワーアップだけでなく、体をきれいにしてくれる、女性にはとくに嬉しい一皿です。
|
初夏のターメリックサラダ
玉ねぎ、えんどう豆、にんじん、ツナ、ターメリック…気血を養い、巡らせる。食べた後、体に心地よい風が吹くようなサラダ。
|
そして、「初夏のターメリックサラダ」は、気血の巡りを意識した一品。旬の玉葱、えんどう豆、にんじんに、ターメリックでアクセントを加えます。ターメリックはカレー粉の色の立役者として存在感がありますが、気血の流れを促進し、消化器系をすっきりさせる働きがある、頼もしいスパイスなんですよ。
新緑とともに真新しい制服やスーツ姿がまぶしい季節。体に元気が満ち、気血がきれいに流れていると、いつもよりさらに前向きに何かに取り組めそうな気持ちになりますね。
▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です