新暦7月22日頃〜
大暑という名前の通り、暦の上では一年中で暑さが最も厳しくなる頃。立秋前の18日間、夏の土用(どよう)はこの節気に入ります。
▲次の24節気は立秋(8月7日頃〜)です。
お節介訓 その12
大暑は、蒸し暑さが急激に増してきます。夏バテ防止にはまず食事!
薬膳のポイント>茄子と苦瓜は夏が旬。茄子は体のほてりをしずめ、苦瓜は体の余分な熱を取る作用があるとされています。急激に暑さが増してくるこの時期は、体に涼をもたらしてくれる野菜と豚肉を組み合わせたボリュームたっぷりの納涼焼きそばで決まり!夏バテ防止にももってこいです。
夏本番。顔はほてり、汗がタラリ、タラリ。ああ、何という蒸し暑さ。風鈴、すだれ、打ち水…五感から涼をとり、暑さをしのぐ昔からの知恵も追いつかぬほど、湿度も不快指数もぐんと高まるのが、近年の日本の夏。気温30℃を超える日が、今夏はいったい何日あるのやら…。
体に熱がたまると皮膚から発汗して温度調節しますが、汗をかきすぎると体内の必要な水分が減少し、血液は粘り、気も消耗して疲れやすくなります。うだるような暑い日が続くと、“心“にも負担がかかり、イライラ、不眠なども起きやすい季節です。
そんな夏こそ、食べて元気に過ごしたい―今、心がけたいことは次の2つです!
一.いつもの食材の中から涼性や寒性の特性をもつものを食べることで、体にこもる熱を冷まし、水分を補うこと。
二.汗とともに消耗しやすいエネルギーを補って体力補強すること。
きゅうり、トマト、なす、苦瓜、冬瓜、すいかなど、旬の野菜や果物は水分をたっぷり含み、体内に生じた余分な熱をしずめてくれる食べもの。上手に摂り入れて体の中を涼しくし、夏の不快な症状を少しでもやわらげましょう。
さっぱりと食べるのも美味しいですが、山芋、牛肉、豚肉などスタミナがつく食材やお酢、薬味と組み合わせれば、体力補強、夏バテ防止もはかれます!
薬膳的!大暑、これ食べたい!
大暑の頃は、台所に立つ時間は短く、ささっとできて、ぱくぱく食べられ、栄養もいっぱい、そんな料理にいたしましょ。
『ゴーヤーと豚肉のお好み焼き』は、山芋、豆腐入りの生地にコロコロに切ったゴーヤー(苦瓜)を加え、豚肉をのせたお好み焼き。苦瓜の独特の苦味は、薬膳では「心」の熱を取り除く働きがあるとされています。夏は暑さで汗を大量にかき、心の機能も活発になりがち。そんな心をちょっとだけ鎮め、整える作用があるのです。また、ビタミンCが豊富で、消化液の分泌促進作用もあるので、暑さでだれがちな夏、食欲低下しやすい夏には、まさにありがたい野菜です。
『茄子と苦瓜の肉味噌焼きそば』は苦瓜と茄子の組み合わせ。茄子は薬膳では体の余熱を冷まし、血流をよくする働きがあるとされます。特有の紫色の色素成分ナスニンに強い抗酸化力があり、動脈硬化や高血圧予防も期待できるという優れもの。さらに、なすの実には水分がたっぷり、カリウムも多く含むので利尿効果も高く、むくみがちなときにもよい食材。冷え性の方は食べ過ぎには少し気をつけながら、美味しく食べてくださいね。
『トマトと牛肉の冷やしうどん』は、トマトと牛肉を炒め、冷たいうどんにからめて食べる一皿。体の余熱を取り、渇きを潤してくれるトマトは、炒めることでまろやかな味わいに。気血を補う牛肉、夏野菜の王様モロヘイヤと組み合わせた夏の元気印うどん。お酢をさっとかけて食べるのもおすすめです。夏休みのお昼ごはんにもぜひどうぞ。
体の中を涼しく、強く。食べ物の力を借りて、夏バテ知らずの夏を目指しましょう!
▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です